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日本政策金融公庫 森貴行氏・茨城県信用保証協会 大山隆志氏・つくば経営戦略研究所 所長 桑原務氏/2022年度第3回 決算書の見方・かんたんな事業計画書のつくり方

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日本政策金融公庫 森貴行氏・茨城県信用保証協会 大山隆志氏・つくば経営戦略研究所 所長 桑原務氏/2022年度第3回 決算書の見方・かんたんな事業計画書のつくり方

日本政策金融公庫 森貴行氏・茨城県信用保証協会 大山隆志氏・つくば経営戦略研究所 所長 桑原務氏/2022年度第3回 決算書の見方・かんたんな事業計画書のつくり方

むすぶしごとLAB.は第一線で活躍する経営者や専門家をお招きし、地方での仕事の作り方や働き方のヒントを探すための実践的な学びと交流の場です。2022年度第3回目の講座では、日本政策金融公庫 森貴行氏、茨城県信用保証協会 大山隆志氏、つくば経営戦略研究所 所長 桑原務氏にご登壇いただきました。

日本政策金融公庫 森貴行氏

日本政策金融公庫では、国の政策に基いた創業支援の融資や、小口の事業資金融資を行なっています。今回は起業希望者の構成比率などのデータをもとに、起業に最適なタイミングや、各融資制度の審査基準を教えていただきました。
日本政策金融公庫は、融資の他にも事業継承を支援するマッチングサービス「継ぐスタ」を展開中。「継ぐスタ」サイトにて、様々な事情で廃業した企業と、これから開業をしたいという人とのマッチングを進めています。
特にコロナ禍が長引く最近では、後継者不足で廃業に追い込まれる企業も多く、事業承継の需要が高まっているそうです。
事業継承に興味がある創業希望者は、茨城県事業承継・引継ぎ支援センターが運営する「後継者人材バンク」と「継ぐスタ」サイトに合わせて登録することで、より希望の事業所を見つけやすくなるとのことです。なお、「後継者人材バンク」では、指定の創業塾の事前受講が必須になるので、セミナー等での勉強も含めて計画的に継承元事業を探すのがおすすめ。
森さんは、事業継承と新規事業での創業のいずれにおいても、設備投資を必要最小限に留めたり、合同会社として設立したりすることで初期費用を抑え、会社を「小さく産んで大きく育てるのが重要」だと語りました。

茨城県信用保証協会 大山隆志氏

信用保証協会は、中小企業や小規模事業者などが資金調達をする際に利用できる公的な保証機関。信用保証協会の保証により、金融機関との取引が浅い事業でも希望の融資が受けられる場合があります。

創業者向けの保証制度としては、茨城県の創業支援融資や女性・若者・障害者創業支援融資などがあります。どちらも保証限度額は3,500万円までで、創業の計画段階にある人、創業後五年未満の人が対象です。

固定低利の融資利率や低い信用保証料で融資を受けられる場合があるので、しっかりと下調べをして創業に向けて準備することが大事だと語りました。

つくば経営戦略研究所 所長 桑原務さん

桑原さんには事業計画書の立て方と、起業後に事業を持続・成長させる方法について教えていただきました。ご自身が7年前に開業した当時を振り返りながら「過剰リスクを負わないために、まずは少ない資金から創業することが大切です」と語りました。

「売れるものを 売れるときに 売れる場所で」を合言葉に、お客さまに求められる商品づくりをする

創業前の準備として、これから始める事業のアイデアをしっかりと考えておくことが重要。その際にアイデアを具体的な言葉で説明し、家族や周りの人、融資先の協力を得るために必要になるのが事業計画書です。

事業計画書を立てる際には、「想定されるお客さんが何を求めているか?」を中心に組み立てていくことが大事だと言います。初めのうちは計画途中でつまずいてしまうことも多いため、必ずしも経営の教科書のセオリーに沿って考える必要はないそう。

桑原さん「売り上げというのは、作業の対価としてお客さまが払ってくれるお金。自分が作りたい商品を基軸に事業計画を立てるよりも、お客さまにとって良い商品、お客さまがほしいと思うようなサービスを目指して、事業設計をイメージすることが重要です」

次に、商品の種類は大きく分けて、「問題解決型」と「水平思考型」の二つに分けられると桑原さんは語りました。

問題解決型とは、お客さまの困りごとを解決する事業を探して起業する方法。将来顧客となる人物像を想定しやすく、起業後も比較的軌道に乗りやすいと言います。

一方、水平思考型は、既存商品を組み合わせて効果を増幅させたり、潜在的な問題を解決する方法です。

すでに販売されている売れ行きがあまり好調でない商品の中には、売り出し方や広告の方法によって格段に売れるようになる商品もあるそう。商品の性質を理解し、多面的な視点で商品の活かし方を工夫することで、顧客へのアピールが成功した実例を紹介していただきました。

桑原さん「お客さまに訴求する上で肝心なのは、伝え方です。商品の性能だけでなく、商品があることによる生活の変化をイメージさせるような商品説明ができるかどうかが、非常に大切です。また既に顧客のイメージ像が想定できる場合には、適切な使い方を伝える必要があります。自社の商品を欲しいと思ってもらえるよう、伝え方は試行錯誤していく必要があるからこそ、早い段階で開業して経験を積むことをおすすめします」

事業計画書を持って、商工会議所へ気軽に相談を

大企業に比べて知名度で劣る中小企業にとって、強みとなるのは顧客との距離の近さ。お客さまにとって身近で頼れる存在になるために、「なるべくライバルの少ない市場を選び、戦略的に起業してほしい」と桑原さんは言いました。

また、対象となる補助制度を有効に活用し、事業が軌道に乗るまでの貯えにすると事業運営のハードルを下げられるそう。
今回ご紹介いただいた小規模事業者持続化補助金は、創業セミナーに規定回数出席し、認定証を持っている間に適用される補助制度。広報費や開発費などの経費が補助対象にある当補助金は、条件を満たした場合には、特別枠200万円まで補助を受けられる場合があります。

「小規模事業者持続化補助金は、商工会・商工会議所の支援を直接受けることで補助対象になります。そのほかにも創業に関するいろいろな相談を受け付けているので、新規事業を立ち上げる際には、商工会議所にぜひ相談してほしいですね」とアドバイスを語りました。