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REPORT

株式会社デイトナ・インターナショナル 代表取締役社長 鹿島研氏/2019年度第4回

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株式会社デイトナ・インターナショナル 代表取締役社長 鹿島研氏/2019年度第4回

株式会社デイトナ・インターナショナル 代表取締役社長 鹿島研氏/2019年度第4回

専門家による講義や対話、フィールドワークなどを通して、これからの地方での仕事の作り方や働き方のヒントを探すための実践的な学びの場、むすぶしごとLAB.。

2019年度第四回目は、株式会社デイトナ・インターナショナル 代表取締役社長の鹿島研氏が登壇。

1986年、茨城県古河市発のアパレルブランドFREAK’S STOREを立ち上げた鹿島氏。創業以来、様々な苦労がありながらも、現在では40店舗以上を展開。ファッションだけでなく、食やホテル、ライフスタイルを提案する事業も展開している。鹿島氏からは、経営の中で大切にしていることを、エピソードを交えながらもお話いただいた。

デイトナ・インターナショナル
フリークスストア

鹿島氏が青春時代を過ごしたのは、1970年代。当時読んでいた雑誌や好きだった映画からアメリカ文化を知り、カルチャーショックを受けていたという。その後アメリカに渡り、現地を直に感じたことで「アメリカの豊かさを日本に届けたい」と心に決めたそうだ。

帰国後、1986年10月、鹿島氏の地元である茨城県古河市にてFREAK’S STOREを開業し、1990年には株式会社デイトナ・インターナショナルを設立。その後多店舗化や本社の東京進出、飲食事業や卸事業のスタート、ライフスタイルの提案など、数々の事業展開を進めてきた。その中には、「人生をいかに楽しむかというアメリカの豊かさ」を伝え、「生き方を伝えていくことが本当の豊かさにつながる」という想いが込められている。

「自分で足を伸ばして感じ取りに行くことを大切にしている」と語る鹿島氏。

鹿島氏は、創業以来、事業計画や経理、商品の仕入れ、企画、営業など、経営や店舗運営にまつわるあらゆることに自ら取り組んできた。現在、これからは仕事を社員たちに少しずつ任せていきたい、と考えているそうで、その考えに至ったのも、アメリカでNBAの試合を見たことがきっかけ。

歳を重ねてもプレースタイルを変えながらチームに勝利をもたらしていく選手を直に見たことから学び取り、「会社の若手にも場数を踏ませてチーム力を高めたい。そのために自分ができることは何か」と考えるようになったそうだ。

「経営に必要なのは、右脳と左脳とハート」であると鹿島氏は語る。今でも、新店舗をオープンさせるときは、スタッフたちとともに食事会を行うという。どんな店にしていきたいかを、スタッフそれぞれが持つ背景も一緒に語り合うそうだ。

店舗には、様々な人が関わる。その中で鹿島氏は、「スタッフに変わった人がいても、その人が悪いわけじゃない。人の表面は、過去の積み上げで作られていくもの。それを解きほぐしハートフルな接し方をして、うまく行かない人たちにも、きちんと接することができるようにしたい」と語っている。

経営にとって重要なハート。しかし、その愛を継続するためには経営のスキルや判断力、そして資金を持っていることも重要。銀行からの借金があるときは、自分ではなく銀行のためのビジネスになってしまうという。「質の高いサービスを提供していくためにも、キャッシュ(現金)をきちんと確保していく必要がある」と鹿島氏は説明していた。

地方での事業について、鹿島氏は「街が小さくても、いいことをやれば世界中に発信できる。今こそ、ローカルに根付いた良いビジネスがチャンスになると思う。今は、大きさだけではなく、商売の価値で測られるようになった」と話す。

地方にはチャンスがある。しかしその一方で、「地方でやるからこそオンリーワンではだめ。地方であるからこそ、ナンバーワンになる必要がある」と強く語った。(了)