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俳優 斉藤陽一郎氏/2019年度第2回

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俳優 斉藤陽一郎氏/2019年度第2回

俳優 斉藤陽一郎氏/2019年度第2回

専門家による講義や対話、フィールドワークなどを通して、これからの地方での仕事の作り方や働き方のヒントを探すための実践的な学びの場、むすぶしごとLAB.。

2019年度第二回目は、俳優の斉藤陽一郎氏が登壇。俳優という仕事をする中で「飛び込んでみれば、何か起きるんですよ」と語る斎藤氏。演劇の世界に衝撃を受けた高校時代から下積みを経て現在に至るまで、どんな出会いやきっかけがあったのかお話を伺った。

斎藤陽一郎 プロフィール

斎藤氏は、札幌出身だが、高校受験直前に親の転勤で東京に引っ越してきた。高校生時代に下北沢の劇場で見た演劇に衝撃を受け、役者の道を志すようになったそうだ。現在、芸能事務所株式会社ノックアウト所属。テレビドラマや映画など、数々の作品に出演している。

そんな斎藤氏だが、高校時代は三者面談で「役者になりたい」と言ったところ、「馬鹿か!」と怒られたそうだ。それでも、自分でも演劇をやってみようと舞台の台本を借りに行ったり、大学生の劇団の稽古に関わったり、という活動を、演劇のキャリアが無いながらも行動を起こしていた。友達と二人でコントユニットを組むことになり、それを続けていたら芸能プロダクションから声がかかったこともあったそうだ。

コントのライブに出ながらも演劇の修行を続けていたが、コントが面白くなかったため解散。その後俳優を目指すようになり、1994年の映画「YOUNG & FINE」のオーディションを受け、主役に抜擢。

当時のことを、「このオーディションに受からなかったら、役者を目指すのを辞めようと思っていた。これが無かったら、今のような俳優の仕事はしていなかったと思う」と斎藤氏は振り返る。

この頃、斎藤氏自身「役者」というものを分かっていなかったという。しかし、作品に関わることで初めて「演じる」ということに向き合うことが出来たそうだ。

撮影現場では怒られることもあったが、その中で役者としての仕事も覚えていった。怒られながらも辞めなかった理由の一つとして、憧れられる人が周りにいたから、というものがあったという。

斎藤氏は、「寝ないで照明を作ったり、絵作りに打ち込んだり、ということを大人が大真面目にやっているのがめちゃくちゃかっこよかった。そんな世界で食べていけたら、どんなに楽しいだろう。自分もそこで遊びたい」という思いを撮影現場の中で抱いていたそうだ。

役者生活の中で分かった「飛び込んでみると、何かが起こる」という経験則もある。まずは飛び込んでみることで、新しい展開チャンスを掴むことができる。

青山真治監督の作品に出演した際、演技が上手くできず監督に怒られていたが、青山監督が新しく映画を撮るという情報を聞きつけどうにか連絡を取ったところ、「オーディションやるから出ろよ」と誘いをもらう。そしてオーディションを受けるつもりで出向くと実は本読み(出演者を集めてが脚本を読み合わせること。つまり斎藤氏の出演が確定)で、映画『Helpless』への出演につながった。

また、斎藤氏が出演する『ディアー・ディアー』のチラシを「むすぶしごとLAB.」の担当者に渡したことがきっかけで、今回のような登壇の機会ができたという。

役者の仕事については、「楽しいことばかりではないし、むしろ楽しくないことしかない。11月の海に入ることもあって、それは嫌だけど、それでいい作品になるなら入りたい」と語る斎藤氏。

好きなことを仕事にする、ということについては「自分がやりたい仕事だけでなく、人が自分にやらせたい仕事もある。相手があっての仕事」という思いを持ち、基本的に、頂いた仕事はすべて引き受けるようにしているとのこと。

今回の登壇の時点で49歳の斎藤氏は、「いかに見たことないものを見るか、というのが人生の楽しみなんじゃないかな」と語る。限りある人生のなかでどんなことができるかを考えながらも、飛び込み、やれることをやってしまえ、ということを心掛けているそうだ。(了)