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自分らしいしごとのつくりかた〜夢のつづき〜/むすラボ2018セミナーレポート

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自分らしいしごとのつくりかた〜夢のつづき〜/むすラボ2018セミナーレポート

自分らしいしごとのつくりかた〜夢のつづき〜/むすラボ2018セミナーレポート

これからの地方での仕事の作り方や働き方のヒントを探すための学びの場、むすぶしごとLAB.。2018年度第4回目のセミナーは、人材育成がテーマ。

山梨県笛吹市一宮町に在住し、幼馴染みと結成したグループでの音楽活動や地域の魅力について動画配信などローカルを拠点に全国的に活躍する田我流(でんがりゅう)氏。今回は地域での暮らし方や働き方についての実情や、自身が書いてきた代表曲のリリック(歌詞)についてひも解きながら、自分らしい生き方や働き方について学んでいきました。

※実施日:2018年11月4日・会場:結城商工会議所

講師紹介

田我流氏(ラッパー)

山梨を中心に全国的に活躍するラッパー。2011年に公開された富田克也監督の映画「サウダーヂ」で主演を務めたことをきっかけに名前が広がり、2012年4月に発表したアルバム「B級映画のように2」でその評価を確固たるものにする。その後はeastern youthやフラワーカンパニーズ、ZAZEN BOYSといったバンドとツーマンライブも実施するなど、ヒップホップというジャンルを超えて、さまざまな音楽シーンで活躍している。EVISBEATSとの共演や、地元一宮町のラップグループstillichimiyaとして、またリーダーバンド田我流とカイザーソゼとしても活動し、2018年はソロアルバム「Ride On Time」の発表を視野に、シングル”Vaporwave”を配信リリースした。趣味は渓流釣り。
http://still138.hatenablog.com

むすぶしごとLAB.の企画当初は、Coworking & Café yuinowaが会場になる予定でした。しかし、創業を考える方だけでなく田我流氏のファンも多数受講。急遽、結城商工会議所での開催となりました。

今回田我流氏は、ご自身の歩んできたキャリアや、仲間との関わり、なぜ東京ではなく山梨を活動の拠点にしているのか、これからの夢、などについてお話頂きました。

田我流氏のように、アーティストとして最前線で活躍する方を前にすると、どうしても「東京で暮らしたり活動したりしている」ということをイメージしてしまいがち。しかし、田我流氏は地元の山梨県の一宮町で活動しています。その理由について、以下のように語っていました。

「ヒップホップをするのに『ハスラーラップではない自分なりの切り口はないだろうか?』と思っていたとき、地元に帰ってみて、この街のの状況を歌ってCDにしてみよう、街のなかにあるマイナスな部分を歌うことによって、伝えたり共感できるものを作っていくことができれば、と思った」

地方を、「田舎だから」「何もない場所だから」と卑下するのではなく、あえてマイナスな部分に着目し、そこから可能性を見出していくのも、独自の仕事の作り出し方ではないでしょうか。

「一宮にいても、インターネットがあるし、都内まで行こうと思えば90分ぐらい。それに、生きていくのにそんなにお金がかからない」

とも語っており、たしかに、安く抑えられる生活費、都内までのアクセス、そして整ったインターネット環境があるのなら、地方での起業や独立も十分考えられます。

セミナー後半は、参加者からの質問も行われました。

「全国を回ってみて面白かったな、という地域はありますか?」という質問に対して、田我流氏は、「沖縄か北海道ですね。沖縄は、ある意味国だと思っています。その場所の人が人間として培ってきたものがすごく良いなと思う。北海道には、旭川に移り住んで、アーティスト活動しつつも音楽フェスをやっている人がいる。その周りの人たちもすごく面白い。コンビニも無いようなところですが、『遊ぶところがないけど自分たちで作っちゃおう』ぐらいの勢いがあります」とお答えいただきました。

また、「ご自身が地方に行くときに、気を付けていることってありますか?」という質問に対しては「色々なところに行っているので、もしかしたら『男はつらいよ』の寅さんみたいなノリかもしれないですね。気を付けていることは、共通項を見つけること。人間で一番あたりまえのコミュニケーションですけど。あとは、景色、町の作りとかよく見ます。そうすると、その街の人たちがどんな人で、どんなふうに遊んでいるのか、ということもなんとなく見えてきます」

面白いことをやっている人の周りには、面白い人が集まってくるもの。旭川で実際にどんな取り組みが動いているのかも、現地で体験してみたいですね。また、外の地域に出かけた際に「自分や自分が住んでいる地域との共通項」を探してみるのも、街で新たな発見をするきっかけになるのではないでしょうか。