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SEASON2 第5回セミナー「地方の価値の磨き方作戦会議」セミナーレポート

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SEASON2 第5回セミナー「地方の価値の磨き方作戦会議」セミナーレポート

SEASON2 第5回セミナー「地方の価値の磨き方作戦会議」セミナーレポート

2017年2月18日、むすぶしごとLAB.SEASON2最後のセミナー、「地方の価値の磨き方作戦会議」が行われました。今回の内容は、東京都の清澄白河の街の視察と、リトルトーキョーでの座学。

視察では、魅力あるお店が点在する清澄白河の街を実際に歩き、自分たちの街との違いや、地方での起業やプロジェクト立ち上げを考えるきっかけを探していただきました。

座学では、講師に日本仕事百貨代表のナカムラケンタ氏を招き、地方の地場産業のポテンシャルや、地域資源の活用方法などの、仕事につなぐ考え方を学んでゆきました。

 

講師について

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ナカムラケンタ

日本仕事百貨 代表

1979年東京生まれ。 いい場所をつくろうと建築や不動産を経験。その後、いい場所にはそこに合った人がいる、ということに気づき、生きるように働く人の求人サイト「日本仕事百貨」を立ち上げる。 「シブヤ大学しごと課」や「シゴトヒト文庫」のディレクター、グッドデザイン賞の審査委員を務め、東京の真ん中に小さなまちをつくるプロジェクト「リトルトーキョー」や「しごとバー」の企画・デザインを監修。 著書「シゴトとヒトの間を考える(シゴトヒト文庫)」。

 

また、株式会社マチヅクリ・ラボラトリーの村瀬正尊(むらせ・まさたか)氏もガイド役として参加しました。

 

前半:清澄白河の街を探索

事前に調べた情報や、当日のセミナー資料を使って、清澄白河の街を探索。

結いプロジェクトのホームである結城市や、参加者それぞれの活動する場所と清澄白河を比較し、地域での可能性を考えていきました。

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後半:ナカムラケンタ氏との「作戦会議」

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後半は、いろんな生き方・働き方に出会うことのできる場所「リトルトーキョー」に移動。

現在準備中の、結城街なかのコワーキングスペース、「旧会津屋呉服店」(物件の名称。スペースとしては仮称です)を運営していく上での相談を中心に、ナカムラケンタ氏からお話を伺いました。

旧会津屋呉服店は、結城駅北側の駅前通り沿いにある物件。普段は空き家状態で使われていませんが、「結い市」をはじめ、イベントの出店会場として使われることがあります。現在、1Fはコワーキングスペース+カフェ、2Fはシェアハウスになる予定で整備を進めています。

今回のレポートでは結いプロジェクトからの質問と、ナカムラ氏からのアドバイスを、簡潔にまとめて掲載していきます。

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結いプロジェクト

場所を作っても、人が来なくては意味がない。人が集まるよう、いろいろなことを試みていこうと思いますが、徐々に近隣でもコワーキングスペースができつつあるし、そこと同じやり方では魅力が出づらい。地方での集客を考えるうえで、どうすればいいですか?

 

ナカムラケンタ氏

この場所の規模感だと、いろいろなことをやったほうがいいと思います。具体的な企画をやりつつ、集まった人たちをちゃんとつなげていく。集まった人たちが仲良くなって、たとえばそこで上映会をやりましょう、みたいな流れを作れるかどうかだと思います。

ここで宿をやったとしても、結城は観光地としてあんまり強くない。上手くいくとしたら、作家さんに住んでもらうのがいいんでしょうね。

ローカルな戦略として、小さなモノづくりの垂直統合、「顔が見える」という場所を作る、聖地化する、というのがあります。

ここでしか買えないもの、ここで買うことに意味があるもの、というのがれば人は行きます。二階にアトリエがあって、一階はショップ。この場所でやるのは、顔が見えるものを作るということ。そこに住む作家さんを誘致または育てると良いのでは。

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結いプロジェクト

この場所のスタッフが、いかに来た人を親身になってつなげられるかが大切なので、ソフト勝負かなと思っています。

外から作家さんを呼んできて、一から育てていって、結城に住みながら作っていくことによって作品に少し結城の色がでてくる、というのが面白いんじゃないかと思っているところです。

 

ナカムラケンタ氏

そういう意味で言うと、蔵前なども視察するといいかもしれません。

「作って売る」ということをやらないと。素敵なものをセレクトして売っているお店は多いですが、そこにはわざわざ遠くから来ない。そこでしか買えないものをそこで作っている、ということが大切。

 

村瀬氏

この場所の家守を受け持つ人は、作家さんのビジネスの成長のサポートについて、どのように想定しておいたらいいですか?

 

ナカムラケンタ氏

結い市の中で、作家さんが集まる土壌を作っていると思います。まずは「あの場所で活動しているのが憧れ」というふうにするのが大切でしょうし。背伸びをせずに、自分の範囲の中でやっていけば、ジワジワと広がっていくと思います。

どんどん作家さんが集まるようにしなくてはいけないので、まずは結い市の出展者に声をかけていくのがよいのではないでしょうか。

 

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また、今回のセミナーには結い市出店作家も参加しており、これからつくつていくコワーキングスペースへの意見もくださいました。

 

結い市出店作家さんからの意見

以前、結い市に出店している知り合いの作家さんと、「毎日が結い市みたいだったらいいのにね」という話をしていました。

作家として作品を作っているときは孤独なので、開かれた場所で情報や刺激をもらうことができるのは、作家側としてもメリットがあるのではと思います。

 

以上、座学のレポートでした。

 

まとめ

ナカムラケンタ氏とのお話の中で、「場所」へどのように人を呼び、新たな人と人のつながりを作っていくかの、大きな手掛かりを得ることができました。

今回、ナカムラ氏が自己紹介の中で、

「いい場所には、その場所に合った人が働いている。場所に合ったところで働いている人は、生き生きする。生き生きとした人が働いている場所は、いい場所になる。」

とおっしゃっていました。

これから結いプロジェクトが作っていくコワーキングスペースも、そんな場所にしていきたいと思いました。

(取材・撮影・レポート:佐野匠)