REPORT
SEASON2 第4回セミナー「起業する人に必要なチームのつくり方」セミナーレポート
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SEASON2 第4回セミナー「起業する人に必要なチームのつくり方」セミナーレポート
2017年2月12日、むすぶしごとLAB.SEASON2第四回セミナー「起業する人に必要なチームのつくり方」が、結城商工会議所行われました。
このセミナーでは、自発的アクションや地域資源を活用した創業の事例を聞き、コミュニティ形成のポイントを学びます。そして、各自のプランを推進するためのコミュニティ形成やチームづくりについて考えていきます。
今回の講師
studio-Lスタッフ、子ども未来センター運営
1984年滋賀県生まれ。成安造形大学卒業後、照明メーカーで商品企画に携わる。退職後、2011年よりコミュニティデザインに取り組むstudio-Lに参画。立川市子ども未来センターで多数のコミュニティプログラムの企画運営等を担当、現在は千葉県睦沢町の地域の魅力づくり事業、木更津市の市民活動支援センターの運営支援等にも携わる。
参加者や結いプロジェクトメンバーの自己紹介からセミナーがスタート。
講師の洪氏からは、これまで関わってきたプロジェクトの中から、「チーム作り」に関連することを中心にお話いただきました。
洪氏がチーム作りで意識していること、大切にしていること
「オトナリ」を立ち上げたとき
※「オトナリ」とは、立川市のフリーライブと街歩きのイベント。詳しくはこちらのWebサイトから。
「オトナリ」のプロジェクトを立ち上げ、企画を進めていくうえで必要なチーム作りについて、洪氏は以下のように考えたそうです。
洪氏
プロジェクトを進める際の重要なポイントは三つあり、この三つがきちんと揃っているかが重要だと思います。一つは、自分がやりたいこと。もう一つは、自分ができること。最後の一つは、社会が求めていること。
これらを羅列していくと、プロジェクトやそれが達成したときのビジョンが出来上がってきます。
しかし、プロジェクトを達成するためにはどうしても自分だけでは補えない部分があります。この三つを考えておくと、そのときに「どんな人に声をかけたらいいのか、どんな協力者が必要なのか」ということが見えてきます。
そして、「オトナリに二十代・三十代のお客様に来てもらうためにはデザインがオシャレである必要がる」という考えから、洪氏は仲間として参加してくれるデザイナーやイラストレーターを探しました。そこでは、
洪氏
チームに入ってもらうときに大切にしたのが、その理由が「相手への要望になっていないか」ということ。「要望」となった場合、それは普通の仕事の依頼と同様になってしまいます。そうではなく「仲間として参加したくなる条件(メリット)」を考えて声をかけました。
また、「チームとして達成したいことは何なのか」を最初に決め、「これを達成するためにどんなチームを作るのか」きちんと考えることが重要。それを意識することで、お互いのことやお互いのメリットを考えながらプロジェクトを進めていけます。
といったことを意識しながら、プロジェクトを進めるチームを作っていったそうです。
西荻紙店を立ち上げたとき
※西荻紙店(にしおぎしてん)とは、デザイナーやメーカーと一緒に実験的な試みをしながら、紙とその周辺のプロダクトを展示販売するギャラリーショップ。詳しくはWebサイトを参照。
デザインディレクター、グラフィックデザイナー、そして洪氏の三人があつまり、西荻窪駅北側に西荻紙店を立ち上げ。それぞれがお互いのメリットをもとに集まり運営していったそうです。
洪氏
西荻紙店は、「三年間やりましょう」ということで始まったプロジェクトで、「三年経った後はどんどん変化させていこう」というふうになっていました。
現在では立ち上げメンバー全員が西荻紙店を離れ、店舗名も「西荻ペーパートライ」になっています。お店自体は「閉店した」のではなく「運営者が変わった」というふうになっているので、お店と商店街とのつながりを保ったままにできています。
洪氏も、西荻紙店に三年関わったあとにプロジェクトを離れていますが、チームとしての活動は「一旦終えても良い」とのことです。
洪氏
「チーム活動」は終えて良い。チーム活動は、なにか目的があって行うことなので、その目的を達成できたら解散してしまってよいと思います。
一旦目的を達成したら解散。チームを維持しよう、続けよう、という風にすると、趣旨がちがってきてしまいます。そしてまた新しく目標ができたら、そこでチームを再編していく。
セミナー後半では、チーム作りを考えるワークショップも行いました。
まずは個人で、洪氏から伺ったお話を参考に「何をするためにどんなチームを作りたいか」「自分のやりたいこと、できること、地域に必要なこと」をまとめていきます。その後、セミナー参加者同士で、お互いの意見交換。
ワークショップの中では様々な考えや疑問が話し合われ、その中の一つに「仲間になってほしいと思う人がいるが、その人とどうやって出会えばいいのか」というものがありました。それに対して洪氏からは
メールを送る、アーティストのライブに行く、個展を見に行くなどして、「これがすごく好きなので一緒に活動してほしい」という話をする。そうすることで、話を聞いてもらえるし、次につながっていきます。
というアドバイスをいただきました。「チームとして一緒に活動したい」という人を見つけたときは、自分たちできちんと思いを伝えるのが重要なようです。
まとめ
今回のセミナーでは、studio-Lスタッフの洪華奈さんに、チーム作りについてのお話を伺いました。
今回のお話を簡単にまとめると、
①プロジェクトを進める際には「自分がやりたいこと」「自分ができること」「社会に求められていること」をしっかりと考える
②①を元に「目標達成のためにはどんな人がチームに必要か」を考える
③チームに入ってもらう場合に「仲間として参加したくなる条件」を考える
④目標を達成したら、チーム活動は終えても良い
ということ。
洪氏の体験や実例をまじえて、とても分かりやすく説明していただきました。
起業やプロジェクト立ち上げのためとにかく行動を起こす、ということはもちろん大切ですが、一旦冷静になって、まずは①から③のようなことをしっかり考えるのも、目標達成の大きな手掛かりになるのではないでしょうか。
(取材・撮影・レポート:佐野匠)