REPORT
SEASON1第2回「地方×Webで自分のシゴトをつくるヒント」セミナーレポート
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SEASON1第2回「地方×Webで自分のシゴトをつくるヒント」セミナーレポート
セミナー会場は、銭湯。青空の中に一直線に突き出す煙突が印象的。
参加者が集まった場所は、なんと喜興の湯の「女湯」だった場所。
10月29日、「むすぶしごとLAB.」SEASON1の第2回目セミナーが行われました。会場は、茨城県結城市内にある銭湯跡地、「喜興(きよ)の湯」。
今回の講師は、株式会社LIGの吉原豪氏と、有限会社まちづくりラボラトリーの村瀬正尊氏。吉原氏を中心に、仕事への人の巻き込み方、情報発信について探っていきました。
セミナー内では、「自分が話すだけはつまらない。皆さんの話も聞きたい」という吉原氏の意向もあり、参加者による自己紹介と質問の時間も設定。参加者と気さくに話してくださる吉原氏のおかげで、和やかな雰囲気でセミナーが進んでいきました。
「楽しい!」という言葉をたくさん使って事例を紹介する吉原氏。聞いているだけでもワクワクしてきます。
参加者一人一人が自己紹介。様々な背景を持つ人がヒントを求めにやってきました。
吉原氏が代表取締役を務める株式会社LIG(以下「LIG」)は、LIFE IS GOODを理念に掲げ、ワクワクする、人を笑顔にするコンテンツを手掛け、Webを中心に発信を続けています。
これまでの事業や様々な経験を語る吉原氏の声は、とてもいきいきとしていました。そして、お話の中で「楽しそう!」「めちゃめちゃ面白い!」といった言葉が何度も登場し、それらが今回のキーワードであったように思えます。
楽しそうにお話してくださる様子からも、自分たちが本当に楽しいと思えることに全力で取り組んで、共感してくれる人をどんどん巻き込んでいく、という姿勢が伝わってきました。また、お話の中で吉原氏が語っていた「自分たちもワクワクできないと、人を巻き込めないし、人に勧められない」という言葉からも、強い説得力を感じました。
「この銭湯に価値がないと思う人のほうが多いかもしれない。でも僕はめちゃくちゃいい建物だと思う」と、吉原氏にも好評だった会場。
共感してくれる人を巻き込み、楽しく仕事をしていくには、トガった情報の発信が必要とのこと。「トガる」とは、自分の主義主張や好みをきちんと伝えること。そうすることで、志が同じような人を巻き込むことができるそうです。
LIGが運営するWebメディアも、確かにトガった内容のものがたくさん。記事を読んだ人にLIGの雰囲気が伝わり、それに共感した人や会社が集まり、楽しい仕事が生まれている様子が想像できます。
自分の主義主張や好みを示し、発信し続けるのは、地方に住む私たちでもWebの力を使えば可能なこと。一緒に楽しく仕事をする仲間を集めるための、シンプルで重要な方法だと思いました。
吉原氏の話に聞き入る参加者の皆様。
しかし、楽しいだけでなく「きちんとお金を生み出すビジネスモデルの確立も重要」と、はっきりと示してくださいました。この考えの背景には、吉原氏のお父様が経営しているアウトドアスクールのスタッフたちを見ていた影響があるそうです。
「そこではアウトドア好きなスタッフたちが働いていたが、雇用形態の関係もあり、結婚を機にスタッフたちがやめていく。楽しいことを仕事にすることは素晴らしことだけど、お金がついてこないと楽しくなくなってしまう。でもお金のためだけに仕事をするのは絶対に楽しくないと思う。」
そういった背景もあり、楽しい仕事を楽しく続けていくためにはビジネスモデルを早めに構築していく必要がある、と思っているとのこと。
今回の会場、喜興の湯がある場所は、典型的な地方の商店街。
靴箱は、セミナー参加者の履物でいっぱい。今日だけ営業が再開したかのような様子。
Webだけにとらわれず、「楽しく、人を巻き込みながら仕事をするにはどうしたらいいか」が語られた今回のセミナー。様々なお話を楽しそうに語ってくださった吉原氏でしたが、その中で語られた経験談やアドバイスには、楽しい仕事づくりの重要なヒントがたくさん含まれていました。
また、お話の中にあった「トガった情報の発信」は、Webサービスを使えば誰でもすぐに挑戦できること。まずは、そこから「地方×Webのシゴトづくり」に取り組んでみたいと思いました。
(取材・撮影・レポート:佐野匠)