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結んで拓く。新しいマーケット/むすラボ2018セミナーレポート

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結んで拓く。新しいマーケット/むすラボ2018セミナーレポート

結んで拓く。新しいマーケット/むすラボ2018セミナーレポート

これからの地方での仕事の作り方や働き方のヒントを探すための学びの場、むすぶしごとLAB.。2018年度第1回目のセミナーは、経営がテーマ。

今回の講師は、過去のキャリアやネットワークを活かし様々なプロダクトを展開する渡辺友郎(わたなべ・ともろう)氏。今回は自から切り拓く独自のマーケットについて体験談や対話を交えながら多種多様な考え方やアプローチを学んでいきました。

※実施日:2018年9月30日・会場:Coworking & Café yuinowa

講師紹介

渡辺友郎氏(株式会社ロッジ・アラスカ代表取締役/タコマフジレコード代表)

東京出身、1974年生まれ。米国にて大学卒業後、旅行代理店、レコードメーカーを経て、架空のレコードメーカーとして国内外の芸術家やアートディレクター、写真家の手がけるTシャツをリリースするTシャツレーベル、TACOMA FUJI RECORDSを主宰する。Lodge ALASKA名義にて編集制作業もこっそりと従事している。株式会社ロッジ・アラスカ代表取締役、タコマフジレコード代表。
http://tacomafuji.net

会場となったyuinowaの2階は満員。最終的には、部屋からはみ出るほどの受講者が参加しました。

渡辺氏からは、「タコマフジレコード」の事業のお話を中心に、独立しTシャツを作り始めるまでの歩みや、仕事に対する考え方、大切にしていることなど、ご自身の経験を交えながらをお話しいただきました。

アパレル業界での経験が無いながらも、Tシャツレーベルを運営している渡辺氏。タコマフジレコードの中で作るTシャツには、「『これが求められているから作ろう』ではなくて、『僕が欲しいもの、面白いと思うもの』を作っています。そうでないと、商品に説得力がない」という思いがあるそうです。

創業や独立に関しても、「自分で始めないと、事業は始まらない。自分にはできないな、じゃなくて、やりたいなと思ったらやるべきだと思う。今からメジャーリーガーになるぞって話じゃないし。僕は、やりながら課題が見つかっていって、それを一個一個クリアしていったほうが建設的じゃないかなと思います」と語っていました。

Tシャツデザインを海外アーティストに依頼する際は、渡辺氏が直接メールで連絡をとり、海外まで足を運び、実際に会って依頼することもあるそうです。自分が本当にやりたいこと、作りたいものがあるからこそ発揮できる行動力ではないでしょうか。

渡辺氏の事業の中では、Tシャツのデザインをするだけではなく、メール対応、商品発送なども業務として発生するし、時には音楽フェスなどに出店し販売を行うこともあるそうです。渡辺氏の事業規模としては「スタッフが4~5人いたとしてもおかしくない」と言われるそうですが、それでも渡辺氏は、自分一人で事業を進めているそうです。

その理由を、「あんまり規模を大きくしたいわけではないし、人に任せるぐらいだったら自分でやったほうが楽しい、というのがありますね」と語っていました。「楽しいから自分でやりたくなる」というのは、創業や独立を経て自分で仕事をしていく上での、とても重要な気持ちではないでしょうか。

もちろん、渡辺氏のなかにも失敗談はあります。たとえば、Tシャツの発注数を誤ってしまい、一桁多い数量で注文してしまったこともあるそうです。当然、大変なことではありましたが、「そういう時に、どうすればいいかを考えなくてはいけないし、頭を抱えているだけでも解決しない。多く発注してしまった分どうすればいいか、というのを建設的に考えていくのも仕事の一つ」と語っていました。

セミナーの最後には、受講者たちから渡辺氏への質疑応答や、感想の発表なども行われました。発表した受講者の一人は、渡辺氏の「自分が欲しい、面白いと思ったものを作る」ということに対して、「今日、お話を聞いてTシャツを見て、すごく買いたいなと思いました。共感した人に共感した分だけTシャツを売る、というのが、すごくいいなと思いました」と、感想を語っていました。